日本でベトナム料理がブームになったのは今からおよそ10年前。ヘルシー志向の高まるなかで、「生春巻」や「フォー」が女性誌や旅行誌に新ヘルシー食として紹介され始めたのがきっかけだ。辛味が少なくさっぱりとしたベトナム料理は日本人の味覚にも合い、低カロリーの「フォー」を筆頭に、アジア料理の一つとして、と同時に他のアジア料理とは逸する存在として、美容や健康意識の高い20~30代の女性を軸に人気を集めるようになった。
現在日本は第2次ベトナム料理ブームの真っ只中。日本国内のベトナム料理店数はおよそ300件にまで上り、日本人がベトナムの味に日常的に触れる機会も増えてきた。また大手カフェチェーン等が「バインミー」や「ベトナムコーヒー」の販売を始めるなど、ベトナム料理店以外でもベトナム料理が気軽に食べられる時代にもなった。2011年にはベトナム本国の大手フォー専門チェーン店(Pho24)が日本に進出。ファストフード風のフォー専門店も相次いでオープンし、ランチタイムにはOLやサラリーマンで賑わっている。「フォー」は特別なものから身近なものへと確実に変化してきている。
数あるフォー専門店の中でも注目したいのは「健康・美」にこだわった本格フォー専門店「フォーハノイ 北千住店」 。お店のこだわりはじっくり時間
をかけて煮込んだコラーゲンたっぷりのスープだ。一番のおすすめは“鶏肉の白湯美肌フォー”。
国産あべ鶏を使用したコラーゲンスープはさっぱりとしているのにコクがある。その他にもベジタリアンに大人気の、厚揚げと国産の生野菜、ハーブがたっぷりトッピングされた“山盛り生ハーブ野菜と厚揚げ豆腐のフォー”など、全8種の美肌フォーが楽しめる。またベトナム中部フエの名物「ブンボーフエ」をフォーとやわらかくじっくり煮込んだ牛すじで作った「フォーボーフェ」も話題となっている。
日本では、製麺技術の難しさとコスト高のために、どのお店も乾麺のフォーを使用していたが、最近では生麺を使用する店も徐々に増えてきた。その先駆け的存在であり、日本で日本の米を使って初めて生米麺を作ったのが老舗店の「チョップスティックス」だ。コシがあり、米の香りがふわっと漂い、つるりとしたのどごしが自慢の「チョップスティックス」の生麺はベトナムの人にも是非一度食べてみてもらいたい。
また同店ではブンの製麺もしており、「ブンチャーやブンボーフエ、ブンヘン、ブンリュウクア」 などが大人気。今までフォーしか知らなかったお客さんに、さらなるベトナム料理の魅力を伝えている。
日本のベトナム料理は全体的に日本人の好みの
味にアレンジされているレストランが多い。ハーブが苦手な日本人にも食べやすいようにハーブを別皿にしたり、ハーブ抜きの注文ができるよう配慮している店もある。またベトナム料理をベースにした創作料理を提供している店が多く、多様なベトナム料理が食せるのも、食にうるさい日本ならではの特徴といえる。
「バインセオサイゴン新宿店」にはホーチミン本場の味“豚肉と海老のバインセオ”にならび、「バインセオロール(Banh Xeo Cuon)」 なる創作料理が登場。お店のスタッフが賄いでバインセオを簡単に食べるためにライスペーパーで巻いてみたことから生まれた一品なのだという。今では、片手で食べられるバインセオと、お店の人気メニューになっている。その他にも「ポテトとベーコン&カマンベールチーズのバインセオ(Banh xeo phomat)」 など、アイディアがいっぱいだ。
日本のベトナム料理店の中には大規模なチェーン展開をしている店もあるが、全体の約8割は個人経営の小さな店舗だ。ベトナムの味をそのまま再現する店、食材にこだわる店、新しいベトナム料理を生み出す店、在日ベトナム人御用達の店など、それぞれがこだわりを持っていて、個性に溢れる。本国とともに進化し続ける日本のベトナム料理店、今後も目が離せない。
住所:東京都足立区千住旭町42-2 ルミネ北千住店8階
TEL:03-5284-1917
定休日:ルミネ北千住店に順ずる
営業時間:11:00~22:000
URL:http://pho-hanoi.com/
住所:東京都杉並区高円寺北3-22-8 大一市場内
TEL:03-3330-3992
定休日:不定休
営業時間:11:30~24:00
平日 15:00~17:00は休み
URL:http://namamen.com/
住所:東京都新宿区西新宿1-1-3 小田急新宿ミロード9階
TEL:03-3349-5884
定休日:新宿ミロードに順ずる
営業時間:11:00~23:00
URL:http://shinjuku.vietnam-banhxeo.com/